2007.08.26 笑う陰陽師




夢枕獏の人気シリーズ「陰陽師」の文庫版一巻目。
ソフトカバー版の陰陽師が多彩なイラストを挿入していたのに比べ、文庫版はほとんど文章のみでかなり簡素なイメージをうけました。
しかし、そのおかげで夢枕特有の淡い文体が頭の中に自由にイメージできるため、逆に趣深い読了感が得られます。

平安時代に生きる、人、鬼、もののけ、そして陰陽師。それらが同じ都に住み、時にふれあい、時に傷つけ合いながらも日々を送っていくさまを、静かに観賞(感傷?)していく安倍清明とその友源博雅の会話が、とても心に響きます。

っていうか博雅があまりにもいい男で、読んでいて素直に関心しますが、時たま自分と比べて凹みます。

そして、たまに清明が怪物王女の姫様に見えてしまうのは私だけでしょうか。私だけですね。「ふふん」とかこと或るごとに清明がつぶやくのいけないのですよ。

あまりにも綺麗な文学作品だったので、書評も綺麗に書こうとして後半無理が出てきました。駄目駄目ですね。
ただ、この本は掛け値なしに名作だと思うので、ぜひ読んでみてください。

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